2019年08月09日

最後の更新です。ありがとうございました。

残暑お見舞い申し上げます。
立秋となり、一気に暮れるのが早くなったような気がします。
とは、いえ、蒸し暑い毎日。
仙台でこれだけだから、関東・関西以西はどれだけ酷暑なのか、想像も及びません。

さて、ホームページですが、8月11日で終了いたします。
長きに渡り、本当にありがとうございました。

学芸員mが福島美術館に来たときは、感熱紙とワープロとフロッピーの時代でした。
懸命に、展覧会の企画・準備を行いました。
しかし、ポスターやチラシをおいてくださる場所に限界がありました。

何度も足を運んだり、電話をかけてお願いしても「公共施設ではない」を理由に断れる日々。
「美術館は公共施設ではないのですか。私立と公立の違いはあっても、公共施設のはずです」、と何度も何度もお願いしました。
東京や京都では、公立も私立も関係ないのに。仙台は違っていました。
歯がゆくて、悲しい思いをしながら、少しづつ、少しづつ、受け入れていただきました。
リピーターさんも増えました。
心強いサポーターさんにも恵まれました。
サポーターさんの協力があって、なしえたイベントもたくさんありました。
郷土の文化と人を愛した福島家の人々と理解者によってはぐくまれた福島美術館。
自分は、そんな多くの方々の思いを伝えるため、広めるため、やってきました。

暑い夏、これまでの夏の朝と夕の日課は続いています。
朝、収蔵室のドアを開け「おはよう!暑いね」と言って、扇風機で風を送ります。
あとは、除湿機にタイマーをかけます。
展示室は10分程度窓を開けます。
展覧会がすべて終わって、資料寄託も終えました。
しかし、法人保管として残された資料と図書がまだ福島美術館にはあります。

資料は暑くても、何も言えません。
カビや害虫にも、非力です。
だから、学芸員が丁寧に保管管理をするのです。

暑い夏の資料のお世話、あと何週間かでおわります。

民間の小さな施設の学芸員の本来の仕事は地味すぎて、関心ももたれず、評価もされないことが多々あると思います。
いつも、情報を発信することが大切。
学芸員の喜びや悲しみを見て知っているのは、いつもそばにいる、資料たちだけかもしれません。

東日本大震災の時の苦労と新たな出会い、
たくさんのイベント、ギャラリートーク、トークショップ、クリニカルアート、紋切り遊び、朗読劇、落語、タイ舞踊、古武道、
古書イベント、煎茶ワークショップ、
参加者が、たった一人だった一人だったギャラリートークもあったっけ。
大学生の博物館実習や、中学生の職場体験。

書いても書いても、きりがない。

福島美術館を見守り、支えていただいた皆さま、ありがとうございました。
メールでのお問い合わせは
fukusima.museum@gmail.com

福島美術館
tel 022-266-1535 fax 022-266-1536
は10月末日で終了します。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。









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2019年08月06日

福島美術館ホームページ・ツイッター・メールは8月11日で終了します。

こんにちは。
東北の仙台も暑いです。
皆さん、熱中症には十分気をつけてください。

タイトルの通り、8月11日でホームページ・ツイッター・メールは終了します。
長い間、ありがとうございました。

自分が学芸員として、福島美術館にお世話になって四半世紀越えとなりました。
当時は初代館長だった方が、非常勤として学芸補佐をしてくださり、なかなか手のまわらない仕事を引き受けてくださいました。
展示資料を収蔵室から出してくださったり、資料棚へ戻してくださったり。
また、昭和55年開館当初まもなくは、キャプションは筆で手書きでした。奥さまが書道をされていたということで、すべて、奥さまが書いてくださっていたようです。家族ぐるみで美術館を展覧会を支えて下っていました。
自分が入ってようやく、ワープロになりました。ただし「感熱紙」でしたが・・・・。
また、出陳目録の作成には、準備で手が回らず、家族にボランティアしてもらっていました。

これらはすべて、公私混同かもしれませんね。
でも、そうしなければ、展覧会が回らなかった。美術館を支えられなかった。
それも事実です。

ただし、皆がきちんと厳守したこと。
それは、学芸員資格があるものが、直接、資料に触れること。それ以外の人は触れない。
それは、責任の所在をはっきりさせる大事なことでした。

昔の資料を整理すると、時々でてくる、手書きのキャプション。懐かしくて、なかなか廃棄できません。
また、昔懐かしい、エンドーチェーンの紙袋。小物の工芸品を薄葉に包んで入っています。
手書きの資料目録。
手書きの画家手帳。
デジタルデータとは違う、温かさと重みがあります。

どんどん便利になっていくこの世界。
でも、紙媒体が一番安心。
所蔵カードは修正して、昔のものを残す。
コレって大事です。

さあ、今週の水・木・金とどんなことを伝えましょうか。
ありがとうございました。

8月12日からのお問い合わせは、こちらへどうぞ。
fukusima.museum@gmail.com


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2018年11月30日

福島美術館からの8期「幸せ願う!めでた掛け」ご案内

とうとう、最期の展覧会を迎えます。
なかなか、頭がまわらくなりました。

始まる前ですが、「めでた掛け」のご挨拶をご紹介します。
機会があいましたら、是非、福島美術館へお越し下しませ。
http://www.fukushima-museum.jp/


〜学芸員として、第8期のご紹介〜
 福島美術館の「めでた掛け」は新春一番の展覧会としてたくさんの方から親しまれてきた展覧会です。
いつのまにか、「新春吉例」の枕がつくようになりました。
 始まりは、昭和56年のお正月から。
 「めでた掛け」は初代学芸員であった佐藤明氏(当時 東北学院大学教授・美学者・阿部次郎の弟子)が命名した造語です。
「新年にはおめでたい掛物を掛けて、みんなでお祝いしましょう!」というもの。以降、歴代の学芸員は明先生の遺志を受け継ぎ、毎年開催してまいりました。
 モットーは学芸員自身が楽しむこと。毎年、テーマを変えて自由な発想で企画してまいりました。
 「めでた掛け」には必ず来るというお客さまもいらっしゃいました。
震災後、美術館再開を心待ちに来館された被災者もおられました。
 たくさんの人に愛された「めでた掛け」は毎年、幸せを願う内容でした。
どうぞ、幸せな新年を迎えられますように。         ありがとうございました。 学芸員M
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2018年10月23日

福島美術館 最終日まで2か月!

平成30年10月22日
少し心の整理を。そして、ご心配いただいています皆さまへ。
昭和55年に開館した仙台の福島美術館は平成30年12月22日終了の展覧会で閉館いたします。
一旦休業という文言で今年4月にお知らせを出していましたが、廃止・閉館となります。
昨年12月、館長から平成30年度以降の方針を告げられ、今年の展覧会内容を急遽変更して、8期の福島美術館コレクション展を開催することにいたしました。3週間周期の展覧会は無理だ、と言われました。しかし、一旦閉めてしまったら、いつ公開できるかわからない以上、少しでも、多くの所蔵作品を展示してあげたいと思いました。
収蔵室から展示室に移動した作品たちは、いつも、誇らしげに、そこにいます。
自分は、それをそばで感じることができて、しあわせに思います。
平成3年から、学芸員として勤務させていただいたご縁に感謝いたします。
民間の小さな美術館である故に、多くの辛いこともありました。しかし、それ以上に多くの有難い出会いと喜びをいただきました。
東日本大震災、そして閉館と、この大きな二つの「時」に立ち会うことに感謝いたします。
福島美術館の最期に9か月で8回の展覧会を開催する機会を頂けたことに感謝します。残業が続く日々、応援して支えてくれた家族に感謝します。

展覧会もあと二つ。
展覧会という舞台にたつ作品と、収蔵室から見送る作品。学芸員としては、収蔵品はどれも一つ一つ大事な宝物。福島美術館から、旅立つ日まで、寄り添っていきます。
posted by ogure at 13:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月27日

2度目のご来館ありがとうございます!

先日、遠くはるばるアメリカから、福島美術館へ来館くださったkさん。
東日本大震災で被災された地域をご家族で旅行されていました。
福島美術館へは、インターネット情報で知ったそうです。
今回は、お一人で、2度目のご訪問。
青森での仕事を終え、立ち寄ってくださいました。
今年いっぱいで休業のお知らせを知り、心配してきてくださいました。

地域と人と文化が紹介されている福島美術館がなくなるのは、残念だ・・・・。
そうですね。
とても残念です。

アメリカに帰られてから、大学に戻られてから、是非、多くの方に「仙台の街のちいさな美術館・福島美術館」のことを発信していただけたら
嬉しいな、と願う日々です。
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2018年07月21日

毎日暑いですね!紋切り団扇貸出中!

書中お見舞い申し上げます。
美術館や博物館という施設は本来涼しいもの、夏は涼みにいかれる方もいます。
仙台の福島美術館は残念ながら、そうはいきません。

暑いです!
空調管理が整っていません。
数日前から、窓を少し開けました。
扇風機はフルパワーですが、暑いです。

_DSC0589.JPG

朝、展示室と収蔵室の除湿器にたまった水を捨て、窓を開け、扇風機を回します。
美術館の受付ではオリジナル紋切り団扇を貸出し、塩キャンディを1個差し上げています。
ご来館は、是非御前中にどうぞ。

そんな中、展示以外にも見てほしいものが増えています。
水彩画家 古山 拓 さんの壁ドローイング「福島美術館からの眺め」
宮城県 村井知事の壁書きサイン です。

村井知事は、とても楽し気に書いてくださいました。
これから、ぞくぞく増える予定です。
是非、皆さんご来館の際は、3階通路の壁をごらんください。
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2018年07月07日

大雨のお悔やみとお見舞い

今回の大雨で、現在、西日本で大きな被害がでています。
亡くなられた方とご遺族の方々にお悔やみ申し上げます。
また、行方がわからない方の一日も早い、無事の救助を祈ります。
避難されている皆さまにお見舞い申し上げます。

東日本大震災の折は、福島美術館再開のための七福絵はがき募金を通じて、全国の皆さまからご支援をいただきました。
佐賀県、長崎県、福岡県、兵庫県、広島県、京都府、今回被害が大きい地域のお住いの皆さま、どうぞ、ご無事を祈っています。

京都の嵐山に近い、浄住寺。檀家さんのいない小さなお寺さんです。
倉敷の大原美術館は学芸部有志で助けていただきました。
広島県の学芸員の方、
京都の大学の先生・研究者の方々、
佐賀県の中林梧竹の関係者の方々、
心配です。

大雨が落ち着いたらで結構です。
近隣に小さなな文化施設や、お寺さんがあったら、どうぞ声をかけてください。

被害は大丈夫ですか、と。
人手がないところでは、まずは情報発信がイチバンの支援です。

祈ります。

http://www.fukushima-museum.jp/

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2018年06月22日

6月22日、仙台市土樋にある福島美術館、休業まで6か月となりました。

こんにちは。
いよいよ、休業まで6か月となりました。8月はお休みなので、あと5か月です。
あっという間に、終わるのでしょうね。

経営する側にとっては、赤字事業がなくなるわけで、ほっとすることでしょう。

もはや、なんのために展覧会をやっているのか、みえなくなっている学芸員m。
しかし、
来館される方にとっては、一期一会。
午前中ご来館のお客様、秋田からお客様。

たっぷりみせていただきました!
寺崎広業の作品も見れてよかったです!
とのご感想いただきました。

ありがとうございます。
自分で計画した内容は遂行してまいります。

「七福絵はがき募金」で修復いたしました作品も随時展示報告しております。

ごきげんよう。

福島美術館のホームページはこちらです。
http://www.fukushima-museum.jp/

6月1日にアップされたアートスケープの取材記事です。
http://artscape.jp/report/curator/10146358_1634.html
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2018年06月21日

仙台藩4代藩主伊達綱村8歳の書「談梅」展示中!(30日まで)

昨日 伊達綱村の遠忌300年法要が両足山大年寺の奥の院の御廟前で営まわれました。
今年は、大年寺開山の鉄牛大和尚の法要も行われ、黄檗宗本山萬福寺からも管長猊下はじめ、長松院派のお坊さん、近隣のお坊さん・宮司さんなど本当に多くの方が参列しました。
自分が黄檗と出会ったのは、平成5年から。四半世紀になります。

そのころは、「黄檗」と書いて、「おうばく」と読める人はほとんどいなかった。
一人でも、「黄檗」の文字を読める人を増やしたかった。

4代藩主は、神経質で、お茶三昧、神社仏閣を建てまくり、藩の財政を逼迫した悪者だった。
政宗だけがヒーローだった。
綱村は江戸で最新の文化や学問を学んだ人、仙台は彼にとって狭かったと思う。
2歳で藩主になって、お父さんとは会えず、伊達騒動がおきて、お取りつぶしを免れ、すごい時代を生きた人。
人は誰にでも、いい面、悪い面がある。両方検証してほしい。
そのうえで、綱村がやってきたことを正当に評価してほしい。
そんな思いがあった。

それが、今や文化を継承し、現在の観光につながる事業を行った藩主とまで。
びっくりしたな。
よかったよ。

福島美術館最後の年に、こんな風に評価されて、うれしい。
ただ、うれしい。
よかったね。綱村さん。

秋は「伊達綱村と黄檗宗」の展覧会を開催します。
昨日の遠忌法要に合わせ、
2歳に仙台藩主になった綱村ですが、8歳に書いた書「談梅」を展示しています。
他のお寺さんにも同様な書が残っています。
さぞや、練習したのでしょうね。
展示は30日までです。

お待ちしております。
って、あんまり、この日記みている人いないか・・・。

それもいいでしょう。
福島美術館での展覧会は12月22日まで。
あと6か月です。8月はお休みなので、土樋の福島美術館はあと5か月でなくなります。
ごきげんよう。

ホームページはこちらです。
http://www.fukushima-museum.jp/

posted by ogure at 16:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月13日

第3期 花鳥風月 始まりました。

12日 火曜日、ようやく展覧会が始まりました。
あー、しんどかったー。
今が一番しんどいのかもしれない、と思ってごまかす日々。

出陳作品はすごいんだけど・・。
中林竹洞、浦上春琴、岡本秋暉、・・・・ね。
渡辺省亭、小杉放菴、柴田是真・・・ね。

伊達だけが、仙台の文化じゃないんだけど。
みんな、知らないというだけで、関心が低い。

版画「芝居絵 四谷怪談」の「戸板返し」も展示。

あ、そうそう、このページあんまりみないからね。

福島美術館には、来年、春はない。きません。
ここには、もう春はこない。

だから、3階展示室は一部屋、春 にしました。
これから夏がきて、秋がきて、冬がくる。
でも、春はこない。
だから、春をたくさん出しました。
学芸員Tさんが好きだった 東東洋の「瀑布観梅図」
学芸員Aさんが好きだった 荒木十畝の「木蓮小禽図」
そして、学芸員Mが好きな小杉放菴。
福島家の注文で、床の間を飾った遠藤速雄の「仙台春夏秋冬図」

お客さまにとっても、自分にとっても、展覧会は一期一会。

機会があえば、たくさんの人にみてほしいけど。
あんまり、知られてないから、無理無理。

がんばったけれど、
チカラフソク。
ごめんね。ふくしまさんと、ふくしまびじゅつかん。

たくさんの収蔵品に出会えて、福島さんの思いに触れることができて、学芸員Mは有意義な時間を送ることができました。
ここにきて、仙台のこと、宮城のこと、東北のこと、たくさん知りました。
バラバラな点が、線となって、面となったものもあります。
まだまだ、今後調べていく必要があるもの、などなど、たくさんあります。

でも、それを知りたいと思う人はあまりいない。

お客さまにとっても、自分にとっても、展覧会は一期一会。











posted by ogure at 15:25| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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